バイオリソースの寄託/譲渡
皆様が開発されたバイオリソースの寄託もしくは譲渡のお願い
BRCは、研究コミュニティの皆様からのバイオリソースの寄託と譲渡に支えられています。研究の過程で開発されたバイオリソースを当センターへ是非ご寄託もしくは譲渡してくださいますようお願い申し上げます。皆様のご高志は、BRCのみならず、広く研究コミュニティ全体から感謝され、敬意を集めることになります。寄託/譲渡することは研究者の皆様自身にも様々なメリットがあります。例えば、ご自身でバイオリソースを維持する必要がなくなります。また、国内外からのリクエストに対するバイオリソース提供作業の負担が削減されます。さらに、私どもが皆様の論文を広報することにより、結果的に皆様の論文はユーザーによって多数引用されることになります。BRCは皆様のバイオリソースを安全に保管し、希望する世界中の研究者に提供してまいります。
加えて、当センターから入手したバイオリソースを利用者の皆様がさらに加工、改変した場合は、それらのバイオリソースの寄託もお願いいたします。具体的には、当センターからの遺伝子クローンを導入したマウス系統や細胞株、当センターからのマウス系統間の交配子孫等です。改変リソースは付加価値のついた有用なリソースであり、研究コミュニティによって非常に高く評価されます。
・寄託:バイオリソースとバイオリソースの取り扱いに関する一部の権利(増殖・培養・繁殖等、品質管理、第3者への提供等)をBRCへ移転することです。
・譲渡:バイオリソー スの知的財産権等の権利も含めて当センターに移転していただくことを意味します。「譲渡」していただくことにより、提供にあたっての手続きが大幅に簡素化されることになります。 定年退官等で公職を離れる場合、また利用者からの様々な質問、要望に答えることが困難であることが予想される場合には、「譲渡」をお奨めいたします。「譲渡」されたリソースは、当センターが責任を持って利用者に提供いたします。利用者がリソースを利用して得た成果について、譲渡者は知的財産権等を主張しないことになります。但し、譲渡者は譲渡後も譲渡したリソースを自由にお使いいただくことができますし、また譲渡にあたって、知的財産権に関すること以外の使用条件、例えば「研究成果の公表にあたって謝辞の表明を必要とする」、「研究成果の公表にあたって譲渡者の指定する文献を引用する」を付加することができます。譲渡の際は、生物遺伝資源譲渡同意書をご利用下さい。どうぞ寄託に併せて、譲渡もご検討いただきますようお願いいたします。
〇クレジット制度:寄託者、譲渡者の皆様に、当センターからの感謝の意を込めて、寄託数、譲渡数見合い分の同種類のバイオリソース(マウス 1 系統であればマウス 1 系統)を無償で当センターから提供いたします。是非ご利用下さい。 尚、クレジットをご利用の際は、担当開発室へご連絡ください。
生物遺伝資源寄託同意書、譲渡同意書、提供同意書(Material Transfer Agreements: MTA)
バイオリソースは、開発者と開発機関にとって貴重な資産です。資産を守りつつ、 同時に広く他の研究者に提供することを円滑に進めるために、当センターでは、3種類の同意書を整備、運用しています。寄託者及び譲渡者は、寄託/譲渡同意書に提供における条件を設定することができ、それらの条件は提供同意書に提供条件として定められ、利用者に遵守されることになります。但し、ライフサイエンス研究促進のために、できる限り寛大な、また利用者にとって同意と遵守が容易な合理的な条件の設定をお願いします。
条件1「研究成果の公表にあたって謝辞の表明を必要とする」や条件2「研究成果の公表にあたって寄託者の指定する文献を引用する」の条件は、開発者・開発機関の権利の正当な行使であり、寄託MTA、譲渡MTA、いずれにおいても設定できます。それ以外は、非営利機関の非営利学術研究への提供にはできる限り緩やかな条件の設定をお願いしています。
寄託同意書においては、開発者・開発機関の知的財産権を利活用するため、営利目的の研究開発には、特許申請や利益共有等について固有の条件3~5を付加することが可能です。
条件6「利用者が寄託者の承諾を事前に得ること」を提供の条件とすることもできます。バイオリソースは開発者の努力の結晶であり、自分が開発したバイオリソースがどのように利用されているかを開発者が知りたいと希望されることは理解できます。しかし、この条件は、寄託後長年経過すると、寄託者の異動・退官等により連絡が困難になること、また寄託者にとっても依頼が多くなればなるほど、承諾のための手続きのご負担が増えること等を予めご考慮いただく必要があります。利用者が必ずコンタクト可能な連絡先を明記していただくこと、また利用者からの依頼には迅速に対応していただくことをお願いします。
「共同研究や共著」の条件は、開発後長い時間が経ち、開発者の研究プライオリティと知的財産権が確保されているバイオリソースに関しては、むしろそのような条件を課さない方が、寛大な寄託者として研究コミュニティの敬意と賞賛を集めることができます。また「論文の公表前の検閲」の条件は、過度の要求と受け取られ、利用者が利用を躊躇する可能性が高く、避けていただきますようお願いいたします。
尚、寄託・譲渡の後、寄託者・譲渡者からのお申し出、また当センターの依頼、さらに一定の期間後(5年、10年)の条件の見直しにより、寄託者・譲渡者並びに当センターの同意の上、条件を変更することが可能です。
「営利目的研究での利用」とは:
・営利機関での利用
・非営利機関と営利機関との共同研究での利用
・非営利機関による営利機関からの委託研究での利用
・非営利機関による営利を目的とした研究開発での利用
MTA締結に際して:記載内容についてご不明の場合は担当開発室にご相談ください。記載内容が決まりましたら、MTAの作成を行います。 なお、MTA締結に際しましては、署名もしくは捺印を必ずお願いいたします。「機関長」の署名捺印は、大学、大学院の場合は学部長、研究科長、研究所の場合は所長を想定しております。 また、既に知的所有権に関する管理責任者が任命されている機関では、管理責任者の署名もしくは捺印をお願いします。
ご寄託/譲渡可能なバイオリソース
BRCでは、現在、下記のバイオリソースについて皆様のご寄託/譲渡を受け付けております。
- マウス系統
- 植物(シロイヌナズナ、ミナトカモジグサ、各種植物由来の遺伝子クローン、培養細胞株)
- 細胞材料(ヒト及び動物由来の培養細胞株)
- 遺伝子材料(ヒト、動物、微生物由来の遺伝子クローン)
- 微生物(バイオセーフティレベル1または2の設備で取り扱い可能な細菌(放線菌を含む)、アーキア、酵母、糸状菌)
リソースの寄託/譲渡に関するお問い合わせ窓口
各リソースの寄託/譲渡に関しては、バイオリソースの種類により必要な書類と手続きが異なります。各リソースについての寄託/譲渡の詳細は、下記担当開発室の寄託申し込み案内ページをご参照ください。ご不明の点がございましたら各開発室にメールもしくはFAXにてお問合せください。
マウス | 寄託・譲渡申込み | animal.brc@riken.jp |
植物 | リソースの寄託について | plant.brc@riken.jp |
細胞 | 寄託登録 | cellkitaku.brc@riken.jp |
遺伝子 | 寄託・譲渡申込み | dna_qa.brc@riken.jp |
微生物 | 微生物株の寄託・譲渡申し込み | inquiry.jcm@riken.jp |