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02細胞が病気を治す
私たちの「からだ」は「細胞のかたまり」です。約220種類、総数約60兆個の細胞からできています。私たちの「からだ」の大元は受精卵(卵子と精子が合体した一個の細胞)ですので、受精卵が増えて(細胞分裂)、また、約220種類の特殊な細胞へと変化して(細胞分化)、最終的に約60兆個の「細胞のかたまり」として人間が形成されているわけです。このようにして形成された「からだ」は、一生にわたって不変なわけではありません。
皮膚の細胞は日々新しい細胞に置き換わり、古くなった細胞が「垢」として剥がれ落ちています。胃腸の細胞も毎日盛んに新しい細胞ができていますし、血液細胞も同様です。また、骨折したときに新しい骨を作ってくれるのも細胞です。このように、私たちの「からだ」のなかでは毎日、細胞の新陳代謝が起こっており、それによって私たちの「からだ」を維持しています。
最近話題の「再生医療」という医療は、こうした細胞の能力を利用して、様々な病気を治そうという医療です。特に最近話題となっているのは、皮膚の細胞から受精卵と同じような能力を持った細胞を作る技術を日本人が見つけ出したことです。万能細胞(人工多能性幹細胞:iPS細胞)と呼ばれている細胞です。
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中村 幸夫
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