バイオリソースの品質と情報発信について
平成26年9月1日
理化学研究所バイオリソースセンター
当センターでは、再現性を確保した最高品質のバイオリソースを提供することに努めてまいりました。しかし、大変不本意ながら、意図せずに不具合のあるバイオリソースを提供した事例が発生しました。これにより、貴重な時間や経費などを費やした利用者の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしました。関係した利用者の皆様に陳謝申し上げるとともに、できる限りの対応をさせていただきました。また、研究コミュニティや国民の皆様には、大変ご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
当センターでは、事例が発生する度に原因を明らかにし、再発防止策を策定し、実施してまいりました。主な原因は、(1)バイオリソースの提供時に検査方法が存在しなかった、(2)当センターの検査範囲が十分でなかった、(3)寄託者と当センターの間での情報伝達が不十分であった、(4)単純な作業ミスなどでありました。今後は、これらの原因を排除し、二度と不具合のあるバイオリソースを提供することがないよう努めてまいります。
一方、いかに再発防止に努めても、生物研究材料であるが故に増殖・繁殖中に発生する変異・変質や汚染、また当センターの検査の限界などから、提供するバイオリソースに不具合が存在する可能性を完全に否定することは極めて困難です。利用者の皆様には、受入れ後本格的に利用する前のなるべく早い時期にバイオリソースの品質、特性についてご確認ください。少しでも不具合や疑義がありましたら、速やかに対応させていただきますので、是非ご連絡をお願いいたします。利用者の皆様からのフィードバックがリソースの質の向上に必要不可欠です。
バイオリソースを当センターに寄託する皆様には、バイオリソースの関連論文、出処、特性、操作された遺伝子の検査方法など、知りうる限りの正確な情報の提供をお願い申し上げます。寄託者の皆様からの情報がリソースの価値を決定すると言っても過言ではありません。
当センターでは、事業の状況を広くお伝えするために、品質管理とそれに関する情報発信を、下記の要領で実施することといたしました。
1.研究の動向、進展に応じて、バイオリソースの検査項目を見直すとともに、拡充に努めます。
2.各検査項目の内容をホームページに掲載いたします。
3.提供する各バイオリソースの検査項目と結果をウェブカタログに掲載いたします。
4.バイオリソースを提供する際、データシートなどで検査項目と結果を利用者にお伝えいたします。
5.提供したバイオリソースの品質に不具合があった場合は、個々の利用者へ速やかに連絡し、できる限りの対応をいたします。
6.品質に不具合があったバイオリソースについて、ホームページで案内いたします。
当センターはライフサイエンスを支える研究基盤として、科学技術、イノベーションの進展に貢献するため、研究コミュニティのご理解とご指導をいただいて、最高水準のバイオリソースを提供するための最大の努力をいたす所存です。今後とも研究コミュニティ、さらには国民の皆様のご支援とご協力を宜しくお願い申し上げます。
連絡先: | |
バイオリソースセンター | tsukuba-kikaku@riken.jp |
実験動物開発室 | animal.brc@riken.jp |
実験植物開発室 | plant.brc@riken.jp |
細胞材料開発室 | cellqa.brc@riken.jp |
遺伝子材料開発室 | dnabank.brc@riken.jp |
微生物材料開発室 | inquiry.jcm@riken.jp |