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第166回BRCセミナーのお知らせ

網羅的1細胞遺伝子発現解析技術開発に基づく肺線維症病態解析の試み

第166回BRCセミナーのお知らせ
ポスター(PDF版)

日時

2023年 9月 5日(火) 16:00 ~ 17:00

場所

バイオリソース研究センター 森脇和郎ホール

オンライン同時開催

Zoom Webinar利用
(参加ご希望の方はinfo-brc-seminar@ml.riken.jpまで連絡をお願いいたします。接続情報をお送りいたします。)

講師

七野 成之 先生(東京理科大学生命医科学研究所 炎症・免疫難病制御部門)

要旨

近年、数千~数万単位の1細胞の網羅的遺伝子発現情報を得られるsingle-cell RNA-seq (scRNA-seq)解析が急速に普及し、1細胞レベルで生命現象や病態生理を理解可能な時代になりつつある。一方、感度や正確性といった観点で技術的な課題も多くある。その課題を解決するため、我々はnanowellベースのシステムと組み合わせることで、感度・正確性に優れたscRNA-seq法TAS-Seq1)を開発し、様々な病態解析を推進してきた。TAS-Seqでは、ターミナルトランスフェラーゼによるcDNA末端への高効率な(通常9割以上)ホモポリマー付加、およびジデオキシターミネーターヌクレオチドの少量の添加による、ホモポリマーの長さの確率論な制御、その両者により、高感度と系の安定性的の両立に成功した。さらに最近、TAS-Seq法の有用性をさらに拡大するため、反応系の最適化や、ビーズを用いない液相系 (例えばdropletベースの10X Chromiumなど)や、超高解像度空間トランスクリプトミクス (Stereo-seq)にも適用可能とし、それらの系の遺伝子検出感度を1.5-2倍にできるTAS-Seq2を開発し、様々な解析プラットフォームへの応用可能性につき検証を進めている。
本セミナーでは、1細胞マルチオミクス解析の技術動向、実験デザイン上の留意点、TAS-Seq/TAS-Seq2のパフォーマンスと今後の開発展開、並びにTAS-Seq/TAS-seq2を用いた我々の肺線維症病態解明の試みを中心とした病態研究への応用例について紹介したい。


1) Shichino S, Ueha S, Hashimoto S, Ogawa T, Aoki H, Wu B, Chen C, Kitabatake M, Ouji-Sageshima N, Sawabata N, Kawaguchi T, Okayama T, Sugihara E, Hontsu S, Ito T, Iwata Y, Wada T, Ikeo K, Sato T, Matsushima K.
TAS-Seq is a robust and sensitive amplification method for bead-based scRNA-seq. Commun Biol. 2022, 5, 602
doi: 10.1038/s42003-022-03536-0

世話人

理化学研究所 バイオリソース研究センター 阿部訓也 info-brc-seminar@ml.riken.jp

当セミナーは、学生、研究者、技術者を対象としたものです。
理化学研究所以外からご参加の方は、所属する大学または研究機関が発行する身分証をご持参になり、守衛所にて入構証をお受け取りください。