やせ型糖尿病モデルハムスターを開発
-やせ型糖尿病の発症機構の解明や治療法開発に貢献-
理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター(BRC)遺伝工学基盤技術室の廣瀬美智子テクニカルスタッフII、小倉淳郎室長、マウス表現型解析技術室の田村勝室長、京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学の村上隆亮助教、稲垣暢也名誉教授らの共同研究グループは、ハムスターの遺伝子を改変することにより、やせ型糖尿病モデル動物の開発に成功しました。
本研究成果は、やせ型糖尿病の発症機構の解明や治療法の開発に用いられることが期待されます。
今回、共同研究グループは、糖質や脂質の代謝がヒトに類似しているといわれているゴールデンハムスターを用いて、卵管内ゲノム編集法(i-GONAD法)により糖尿病の原因遺伝子の一つであるIRS2(インスリン受容体基質タンパク質遺伝子を働かないようにすることで、やせ型糖尿病モデルハムスターの開発に成功しました。日本の糖尿病患者数は予備軍含めて推計2,000万人以上といわれており、その多くは東アジア特有のやせ型糖尿病です。今回開発したハムスターは、日本における糖尿病の発症機構の解明や治療法の開発に用いることができる貴重な実験モデルといえます。
本研究は、科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版(8月12日付:日本時間8月12日)に掲載されました。