必須遺伝子が染色体に無くても生物は絶滅しない
-数億年前からプラスミドだけでリボソームRNA遺伝子を維持するバクテリアの発見-
東京大学の按田 瑞恵 特任助教、山内 駿 大学院生、コセンティーノ サルヴァトーレ 特任助教、岩崎 渉 教授と、理化学研究所 バイオリソース研究センター(BRC) 微生物材料開発室の坂本 光央 専任研究員、大熊 盛也 室長、高島 昌子 ユニットリーダー(研究当時)、国立遺伝学研究所の豊田 敦 特任教授らの共同研究チームは、多様な環境に生息する2門2科4属5種のバクテリア(細菌)が、生物の基本構成要素の一つであるタンパク質の合成に必須なリボソームRNA(rRNA)遺伝子をプラスミドだけに持つことを発見しました。また、今回解析したバクテリアのうちPersicobacteraceae科に属するバクテリアは、染色体からrRNA遺伝子を失った状態でも数億年にわたって絶滅しなかったことを明らかにしました。
本研究成果は、2023年11月14日に英国科学誌『Nature Communications』に掲載されました。