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擬似的なヒト腸内細菌群集を作製し様々な解析手法を評価

腸内細菌群集はヒトの健康に重要なので研究が活発におこなわれています。これらの研究では、DNA抽出や配列データの情報解析などさまざまな解析手法が開発されています。こういった研究の活用で特に問題となるのが「腸内細菌群集の個人差」です。個人差のある研究対象について、個々の研究成果からより一般性の高い結論を得るためには、複数の研究から得られたデータを統合的に解析する「メタ解析」が重要になります。メタ解析をおこなう上で一番の課題は、異なる研究成果間の実験上のバイアスの存在であり、バイアスを定量するためには、群集を構成する細菌のメンバーリストや各メンバーの混合割合があらかじめわかったヒト腸内細菌群集の「模擬群集」が必要不可欠です。

今回、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の森 宙史 准教授、理化学研究所の大野 博司 チームリーダーが率い、バイオリソース研究センター 微生物材料開発室 大熊 盛也 室長、坂本 光央 専任研究員が参画する研究チームは、ヒト腸内細菌群集の模擬群集を作製し、その模擬群集を用いて様々な解析手法を評価しました。

本研究成果は、国際科学雑誌「DNA Research」に2023年5月31日(日本時間)に掲載されました。