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次世代リプログラミング因子KLF4改変体の開発
-iPS細胞をより高効率・高品質に作製-

理化学研究所(理研)バイオリソース研究センターiPS細胞高次特性解析開発チームの林洋平チームリーダー(筑波大学医学医療系准教授)、ボリソワ・エフゲーニャ大学院生リサーチ・アソシエイト(筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程)、筑波大学医学医療系西村健准教授、久武幸司教授らの共同研究グループは、iPS細胞をより高効率・高品質に作製できるKLF4タンパク質改変体を開発しました。

本研究成果は、従来よりも優れた次世代リプログラミング(初期化)因子により、患者自身の体細胞から作製するiPS細胞を用いた自家移植医療の実現に貢献すると期待できます。

今回、共同研究グループは、iPS細胞作製の際に必要なリプログラミング因子の一つであるKLF4タンパク質において、DNAと直接相互作用するアミノ酸残基の改変体を多数作製しました。その中から「KLF4 L507A改変体(ヒトKLF4の507番目のアミノ酸残基ロイシンをアラニンに置換したもの)」を用いてiPS細胞を作製したところ、迅速、かつ高効率で、高品質なiPS細胞株を樹立できることが分かりました。

本研究は、科学雑誌『iScience』オンライン版(12月14日付:日本時間12月15日)に掲載されます。


本研究ではBRCから提供したヒト線維芽細胞 (RCB0222:NB1RGB)やトランスジェニックマウス (RBRC02290:STOCK Tg(Nanog-GFP,Puro)1Yam) が使われています。また、研究で作製されたレトロウイルスベクタープラスミド38種は、BRC DNAバンクに寄託されています。


追記 : 2021年12月24日(金) 記事を更新しました。