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単独で鉄を酸化も還元もできる微生物の発見
-微生物による鉄代謝の新たな一面-

理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター微生物材料開発室の加藤真悟開発研究員と大熊盛也室長の研究チームは、地球表層環境の大部分を占める中性pH条件下において、単独で鉄(Fe)を酸化も還元もできる微生物を発見しました。

本研究成果は、微生物の鉄代謝機能に対するこれまでの常識を覆すものであり、自然界の元素循環における微生物の役割の理解への貢献だけでなく、微生物を用いた環境浄化や資源回収への応用利用も期待できます。

地球表層環境の鉄の酸化還元サイクルは、主に微生物によって駆動されています。これまでに報告されている単独で鉄を酸化も還元もできる微生物は、pHの低い酸性条件で生育する好酸性の種に限られていました。

今回、研究チームは、国内の湿地帯の泥の中から、新種レベルで新しい微生物MIZ03株を分離培養することに成功しました。培養実験の結果、本株は中性pHかつ微好気条件下において、二価鉄Fe(II)をエネルギー源として酸化して増殖できることが分かりました。さらに、嫌気条件下において、三価鉄Fe(III)を還元しながら増殖できることも分かりました。

本研究は、米国の科学雑誌『Microbiology Spectrum』のオンライン版(8月25日付)に掲載されました。