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5,061遺伝子のノックアウトマウスを整備
-国際連携によるマウスの品質管理が研究基盤を拡充する-

理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター実験動物開発室の吉木淳室長、綾部信哉専任研究員、マウス表現型解析開発チームの田村勝チームリーダーらの研究グループが参加する国際マウス表現型解析コンソーシアム(International Mouse Phenotyping Consortium:IMPC)は、5,061遺伝子の新しいノックアウトマウス系統を樹立し公開しました。

本研究成果は、これまでにIMPCポータルサイトで公開されているデータとともに、遺伝性希少疾患の発症に関わる原因遺伝子の特定や未診断疾患の研究推進、治療法の開発に貢献すると期待できます。

ヒトの遺伝子の機能や疾患における役割を解明するために2011年に発足したIMPCでは、マウスの全遺伝子それぞれについて、ノックアウトマウスの樹立と国際標準解析プロトコールに沿った表現型の解析を行い、マウス遺伝子機能のカタログ作成を進めてきました。

今回、IMPCは遺伝子改変が一つの遺伝子だけに施され、設計どおりにノックアウトされていることを検証する品質管理を行った上で、マウスES細胞から5,061遺伝子のノックアウトマウス系統を樹立しました。これにより、発現を可視化できる遺伝子の数が従来の約3倍に、コンディショナルノックアウトマウスとして利用できる遺伝子の数は約2倍に拡充しました。

本研究は、科学雑誌『Nature Genetics』オンライン版(4月8日付)に掲載されました。