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家畜における一過性腸内かく乱を改善する好熱菌
-離乳期の下痢寛解のための分子機序の推察-

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 粘膜システム研究チームの大野 博司 チームディレクター、宮本 浩邦 客員主管研究員、共生微生物叢研究チームの須田 亙 チームディレクター、服部 正平 客員主管研究員(研究当時)、光量子工学研究センター 光量子制御技術開発チームの和田 智之 チームディレクター、バイオリソース研究センター (BRC)統合情報開発室の桝屋 啓志 室長、環境資源科学研究センター 環境代謝分析研究チームの菊地 淳 チームディレクター、九州大学 大学院農学研究院の髙橋 秀之 准教授、千葉大学 大学院園芸学研究院の児玉 浩明 教授、金沢大学 疾患モデル総合研究センター 研究基盤支援施設の西内 巧 准教授、広島大学 大学院統合生命科学研究科の稲生 雄大 助教、北里大学 医療衛生学部の佐藤 隆司 講師、慶應義塾大学 先端生命科学研究所の福田 真嗣 特任教授、国立健康危機管理研究機構の山本 直樹 名誉所員らの共同研究グループは、高温発酵飼料由来の好熱菌[1]カルディファーメンティバシラス・ヒサシイ(C.hisashii[1]が、家畜モデルの子牛の下痢を改善(寛解)する仕組みの一端について、統合マルチオミクス解析[2]によって明らかにしました。

薬剤耐性(AMR: antimicrobial resistance)菌のまん延を防ぐために、抗生物質に頼らない畜産経営が世界的に求められている中で、本研究の成果は、貴重なアプローチの一つであることが示唆されています。

本研究は、科学雑誌『Microbiome』オンライン版(8月5日付)に掲載されました。


補足説明

[1] 好熱菌、カルディファーメンティバシラス・ヒサシイ(C.hisashii
好熱菌は、50℃以上で増殖能を有する細菌群の総称。温泉や海底熱鉱床などに生息する。カルディファーメンティバシラス・ヒサシイは、海産資源残渣(ざんさ)を70~80℃で発酵したリサイクル飼料(高温発酵飼料)から単離された好熱菌の一種であり、マウスや豚に与えると、成長を促進する。学術名はCaldifermentibacillus hisashii(旧菌名:Bacillus hisashii、ならびにCaldibacillus hisashii、国際寄託番号:製品評価技術基盤機構NITE-BP-863)。詳しくは、National Center for Biotechnology Informationのページを参照。

[2] 統合マルチオミクス解析
ゲノム・トランスクリプトーム(mRNAの総体)、プロテオーム(タンパク質の総体)、メタボローム(代謝物の総体)など複数の階層のオミクスデータを統合し、生命現象を多面的・体系的に理解する解析。