第182回BRCセミナーのお知らせ
哺乳類卵における非対称分裂のメカニズムの進化的多様性
日時
2026年4月21日(火)16:00~
場所
理化学研究所バイオリソース研究センター
森脇和郎ホール
参加登録
オンライン同時開催。Zoom 聴講可。
参加ご希望の方は、登録フォームにてご連絡をお願いいたします。
講師
戸塚 隆弥 先生
The Laboratory of Chromosome Dynamics and Evolution, NIH
要旨
動物の卵母細胞は減数分裂に伴い非対称に分裂し、配偶子となる卵細胞と極体を形成する。この非対称な細胞分裂は、受精後の胚発生に必須な母性因子を最大限保持することに貢献する。
卵が非対称分裂を達成するためには、分裂装置である紡錘体が細胞膜直下に局在することが重要である。哺乳類の卵減数分裂研究で広く用いられているラボマウス(Mus musculus)の卵では、紡錘体は細胞質流動の力によって細胞膜近傍に局在を維持する。これは、紡錘体極から伸長した星状微小管により細胞膜と結合する体細胞分裂とは明確に異なるしくみである。しかし、ラボマウス以外の哺乳類卵における紡錘体の局在機構は十分に研究されておらず、細胞質流動による卵紡錘体の局在機構が進化的に保存されているのかは未知であった。
本研究では、ラボマウスとは約 2,500 万年前に分岐したペロミスカスマウス(Peromyscus mouse)、さらにはウシやブタの卵を用いて、細胞生物学的なアプローチによりこれら種間における紡錘体の形状やダイナミクスを詳細に解析中である。興味深いことに、ペロミスカスマウス卵の紡錘体はブタやウシ卵と同様にラボマウス卵の紡錘体よりも有意に小さく、また、そのサイズはヒト卵にも似ていた。さらに、ペロミスカスマウス卵では、紡錘体の細胞膜近傍への局在は細胞質流動に依存せず、代わりに星状微小管により維持されている可能性が示された。
本セミナーでは、我々の最新の成果から見えてきた紡錘体の局在機構の進化的多様性とともに非モデル生物を研究することの重要性について議論したい。
お問合せ
バイオリソース研究センター セミナー担当
info-brc-seminar@ml.riken.jp
理化学研究所以外からご参加の方は、所属する大学または研究機関が発行する身分証をご持参になり、守衛所にて入構証をお受け取りください。
