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卵子が精子の減数分裂を肩代わりする
-減数分裂を進行させ、子まで発生させられることを発見-

理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター(BRC)統合発生工学研究開発室の越後貫 成美 専任技師、井上 貴美子 室長、小倉 淳郎 研究員(バイオリソース研究センター 副センター長)らの国際共同研究グループは、減数分裂が停止した雄性生殖細胞を卵子に顕微授精することで、卵子が肩代わりして雄性生殖細胞の減数分裂を進行させ、産子(さんし:分娩で生まれる子)までの発生が可能なことを明らかにしました。

本研究成果は、雄性生殖細胞の減数分裂停止による男性不妊の治療に貢献することが期待されます。

本研究では、さまざまな無精子症の遺伝子変異マウスを使い、減数分裂を停止した雄性生殖細胞が卵子内で減数分裂を再開するか、確認を行いました。その結果、減数分裂直前の、準備がほぼ完了した段階(ディプロテン期)の停止であれば、卵子内で正常に減数分裂が進行し、産子まで発生することを明らかにしました。

本研究は、科学雑誌『Human Reproduction Open』オンライン版(11月18日付)に掲載されました。